CBDアイソレートとブロードスペクトラムの違い

Doctor hand hold cannabis oil, Research of hemp oil extracts for medical purposes

CBD製品を選ぶ中で、「アイソレート」や「ブロードスペクトラム」という分類を目にしませんか?

どちらもCBDを含む製品ですが、大きな違いは、CBD以外の成分がどのくらい一緒に含まれているかです。

CBDアイソレートとは?

CBDアイソレート(CBD isolate)とは、CBDを分離・精製し、CBD単体に近い状態にしたものです。

「isolate」には、「分離する」「単離する」という意味があります。

イメージするなら、白米のようなもの。玄米からぬかや胚芽を取り除いて白米にするように、さまざまな成分の中からCBDという一つの成分を取り出したもの、と考えると分かりやすいでしょう。

もちろん、これは成分構成をイメージするための例えで、実際の製造工程がお米と同じという意味ではありません。

アイソレートは、CBDを中心としたシンプルな組成であることが特徴です。

ブロードスペクトラムとは?

一方、ブロードスペクトラム(Broad Spectrum)は、CBDだけでなく、CBGなどのほかのカンナビノイドやテルペンなど、複数の成分を含む製品に使われる名称です。

研究では、ブロードスペクトラムを「CBDに加えてテルペンやマイナーカンナビノイドを含み、THCを除いた製品」として扱っている例があります。

ただし、ここで覚えておきたいことがあります。

「ブロードスペクトラム」という名称だけから、その製品がどのような製法で作られたのかを判断することはできません。

一般には、THCを除いた複数の麻由来成分を含む製品として説明されますが、カンナビノイド製品の製造技術としては、カンナビノイドやテルペンを分離・精製したあと、再び組み合わせて製品を作る方法も報告されています。

つまり、「植物の抽出物からTHCだけを取り除いたもの」だけが、複数成分の製品を作る唯一の方法ではありません。

そのため、同じ「ブロードスペクトラム」という表示でも、どの成分が含まれているのか、その割合や組み合わせは製品によって異なります。

実際、市販されている202種類のCBD製品を分析した2024年の研究では、「フルスペクトラム」「ブロードスペクトラム」「CBDアイソレート」と表示された製品のうち、26%が研究者の設定した製品タイプの基準と一致していませんでした。

つまり、商品名だけでは実際の中身までは分からないということです。

アントラージュ効果とは?

そして、ブロードスペクトラムについて調べていると、よく登場するのが「アントラージュ効果」という言葉です。

これは、一つのカンナビノイドだけではなく、複数のカンナビノイドやテルペンなどが一緒に存在することで、それぞれの働きに影響し合うのではないかという考え方です。

「entourage」には「取り巻く仲間」といった意味があります。一つの成分だけではなく、複数の成分をチームのように考えるイメージです。

複数のカンナビノイドやテルペンなどが組み合わさることで、それぞれの働きにどのような影響を与えるのかという観点から研究が進められています。植物に含まれる成分同士の相互作用を考えるうえで注目されている考え方で、今後さらに研究が進むことで、その仕組みが明らかになっていくことが期待されています。

アイソレートとブロード

アイソレート=CBDを中心としたシンプルな組成

ブロードスペクトラム=CBD以外のカンナビノイドなども含む複数成分の組成

と覚えておくと分かりやすいでしょう。

そして特にブロードスペクトラムの場合は、「ブロードスペクトラム」という名称だけで判断しないことも大切です。

COAで実際の中身を確認する

では、その製品に実際に何が含まれているのかを、どう確認すればよいのでしょうか。

その手がかりの一つになるのが、COA(Certificate of Analysis/成分分析証明書)です。

COAは、製品や原料を分析した結果をまとめたもので、CBDやCBGなどのカンナビノイドがどのくらい含まれているのかを確認できます。

たとえば商品に「CBD 1,000mg」と書かれていても、実際の分析値が表示と一致しているとは限りません。市販CBD製品202点を調べた研究では、74%の製品でCBDの分析値が表示量から10%以上ずれていました。

COAを見るときは、まずCBD・CBGなどのカンナビノイドの種類と分析値を確認します。ブロードスペクトラムであれば、本当にCBD以外のカンナビノイドが検出されているのかを見ることで、その製品の成分構成をより具体的に知ることができます。

さらに、COAによってはTHCの分析結果、農薬、重金属、残留溶剤、微生物、マイコトキシンなどの検査結果が記載されています。

また、検査機関名、検査日、ロット番号も確認してみましょう。手元の商品とCOAのロットが一致しているか、いつ検査されたものなのか、製造者とは別の検査機関で分析されているのかを見ることで、そのCOAが目の前の商品についてのものなのかを判断しやすくなります。

つまり、「COAがあるから安心」と考えるのではなく、そのCOAに何が書かれているかを見ることが大切です。

アイソレートか、ブロードスペクトラムか。名称を知ることはCBD製品を理解する第一歩です。そして、その先にある「実際に何が、どのくらい入っているのか」まで確認することで、製品の中身をより具体的に知ることができます。

参考・引用資料

参考・引用資料

[1]Berthold EC, et al.
Comparative Pharmacokinetics of Commercially Available Cannabidiol Isolate, Broad-Spectrum, and Full-Spectrum Products
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37337087/

[2]Meehan-Atrash J, et al.
The influence of terpenes on the release of volatile organic compounds and active ingredients to cannabis vaping aerosols
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35423635/

[3]Gidal BE, et al.
Product labeling accuracy and contamination analysis of commercially available cannabidiol product samples
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38562466/

[4]Simei JLQ, et al.
Does the “Entourage Effect” in Cannabinoids Exist? A Narrative Scoping Review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37535820/

[5]AOAC INTERNATIONAL
Hemp Oil – Full Panel / Cannabis & Hemp Oil Proficiency Testing Program
https://www.aoac.org/news/first-cannabis-and-hemp-oil-pt-program/

[6]Wakshlag JJ, et al.
Cannabinoid, Terpene, and Heavy Metal Analysis of 29 Over-the-Counter Commercial Veterinary Hemp Supplements
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32346530/

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