CBDの品質は土から始まる?ヘンプと土壌、トレーサビリティの話

Hand of male holding soil in the hands for planting.

CBDオイルを選ぶとき、「原料となるヘンプは、どんな場所で育ったのだろう?」と考えたことはありますか?

濃度や製造方法、COAを確認することはあっても、原料となるヘンプそのものに目を向ける機会は、あまり多くないかもしれません。
CBDは、ヘンプ(Cannabis sativa L.)という植物から得られる成分です。

植物は根から水や栄養素を取り込みながら成長します。そのため、CBDの品質を考えるうえでは、ボトルの中だけではなく、その前にある「畑」や「土壌」にも目を向けることが大切です。

でもなぜヘンプにとって「土壌」が大切なの?

なぜCBDの品質を考えるときに「土壌」が重要なのでしょうか。

その理由の一つが、ヘンプには、周囲の環境にある物質を取り込むという性質があります。

ヘンプは土壌中に存在するさまざまな元素を取り込むことが研究されており、「バイオアキュムレーター」とも呼ばれることがあります。

2024年の論文では、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、ヒ素(As)などの有害元素に加え、亜鉛、銅、鉄、マンガンなど、さまざまな元素がヘンプから検出・蓄積されることがまとめられています。

※どの物質をどの程度取り込むかは、土壌中の濃度やpH、品種、栽培環境、植物の部位などによって変わります。

なぜ重金属を気にするの?

鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などは、一定量以上の曝露が続くと健康への影響が問題になります。

鉛は神経系や腎臓などへの影響が知られ、特に子どもの発達への影響が懸念されています。

カドミウムは腎臓や骨、水銀は神経系や腎臓などへの影響が知られています。また、無機ヒ素への長期的な曝露は、皮膚障害や心血管系への影響、がんなどとの関連が報告されています。

重金属だけではない

ヘンプと環境との関係が研究されているのは、重金属だけではありません。

たとえば、農薬のmetalaxyl-Mやmetribuzin、BPA(ビスフェノールA)などを含む水や土壌でヘンプを栽培し、植物による取り込みや除去を調べた研究があります。

さらに近年では、PFAS(有機フッ素化合物)についても研究されています。

PFASで汚染された土壌でヘンプを栽培した研究では、複数のPFASが植物体から検出され、物質の種類によって取り込まれやすさに違いがあることが報告されています。

また、石油や燃焼などに由来するPAHs(多環芳香族炭化水素)で汚染された土壌についても、ヘンプを利用したファイトレメディエーションの研究があります。

で、どのように栽培されたのかを知ることも大切な情報の一つです。

もう少し言い切って、文章をきれいにするならこちらもいいです。

このように、ヘンプはさまざまな環境中の物質との関係が研究されており、育った環境は原料の品質を考えるうえで重要な要素の一つです。

「どこから来たCBDなのか」を見てみる

重要になのは、トレーサビリティです。

トレーサビリティとは、原料がどこから来て、どのような工程を経て製品になったのかをたどれること。

日本には食品表示や事業者の記録保存などに関する制度がありますが、すべてのCBD製品について、「どの農場の、どの土壌で育ったヘンプなのか」まで消費者に一律開示するCBD専用のトレーサビリティ制度があるわけではありません。

CBDオイルであれば、

どこの国・地域でヘンプが育てられたのか
→ どの農場で栽培されたのか
→ その農場の土壌や水、周辺環境はどのような状態なのか
→ 農薬や肥料を含め、どのような方法で栽培されたのか
→ 収穫後、どのような環境で保管・加工されたのか
→ どの工場で、どのような抽出・精製・製造工程を経てオイルになったのか
→ 完成した製品にどのような検査が行われているのか

といったところまで確認できるものを選ぶことが望ましいと言えます。

トレーサビリティとは、単に「どのロットの商品なのか」を追えることだけではありません。
ヘンプが育った土地や農場の環境、栽培方法、収穫後の管理、そしてオイルになるまでの製造環境まで、その製品の背景をたどれることが重要です。

口にするものだからこそ、より安心してCBD製品を選ぶためには、CBDの含有量や価格だけでなく、原料となるヘンプ(Cannabis sativa L.)がどこで、どのように育てられたのかまで知ることも、大切な判断基準の一つです。

参考・引用資料

参考・引用資料

[1]Milan J, Michalska A, Jurowski K.
The comprehensive review about elements accumulation in industrial hemp (Cannabis sativa L.)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38081533/

[2]World Health Organization
Exposure to lead: a major public health concern
https://www.who.int/publications/i/item/9789240112384

[3]World Health Organization
Cadmium – Chemical Safety and Health
https://www.who.int/teams/environment-climate-change-and-health/chemical-safety-and-health/health-impacts/chemicals/cadmium

[4]World Health Organization
Mercury and health
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/mercury-and-health

[5]World Health Organization
Arsenic
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/arsenic

[6]Loffredo E, Picca G, Parlavecchia M.
Single and combined use of Cannabis sativa L. and carbon-rich materials for the removal of pesticides and endocrine-disrupting chemicals from water and soil
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32926281/

[7]Nason SL, et al.
A comprehensive trial on PFAS remediation: hemp phytoextraction and PFAS degradation in harvested plants
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38322792/

[8]Gabriele I, Bianco F, Race M, Papirio S, Esposito G.
Phytoremediation of PAH- and Cu-Contaminated Soil by Cannabis sativa L.: Preliminary Experiments on a Laboratory Scale
https://www.mdpi.com/2071-1050/15/3/1852

[9]消費者庁
新たな加工食品の原料原産地表示制度に関する情報
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/

[10]厚生労働省
食品衛生法の規定に基づく食品等事業者の記録の作成及び保存について
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6124&dataType=1&pageNo=1

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