CBDと依存 ― CBDは依存する?

「CBDを使い続けたら、やめられなくならない?」

CBDを初めて使うとき、「大麻草に含まれる成分」という言葉から、依存性を心配する人もいるかもしれません。

そもそも「依存」は、単にそのものを好きになることだけではありません。使う量や回数を自分でコントロールしにくくなること、使っていないと強い欲求が生じること、そして中止したときに離脱症状が現れることなど、いくつかの側面があります。

CBDについても、「継続して使ったあとに突然やめるとどうなるのか」という研究が行われています。

さらに興味深いことに、CBDは依存を起こす成分なのかを調べるだけでなく、大麻、オピオイド、ニコチン、アルコールなどへの依存にどう関わるのかという方向からも研究されています。

CBDを突然やめたら、離脱症状は起こる?

2020年、健康な成人30人を対象に、「CBDを継続使用したあと、突然中止すると離脱症状が起こるのか」を調べたランダム化試験が行われました。

参加者は、植物由来の高純度CBDを使用した医薬品グレードの経口液を、1回750mg、1日2回、合計1,500mg/日、4週間使用しました。

その後、一方はCBDをそのまま継続し、もう一方は突然プラセボへ切り替え、離脱症状を評価する2種類の尺度で比較しました。

その結果、CBDを突然中止したグループでも、離脱症候群を示す証拠は確認されませんでした。

比較的高い量のCBDを4週間使用したあとでも、急な中止による明確な離脱症候群が確認されなかった研究です。

ただし、この研究は健康な成人を対象とした4週間の試験です。長期間にわたるあらゆるCBD使用について調べたものではありません。

CBDが「大麻への依存」を減らせるか調べた研究

CBDと依存については、少し意外な研究もあります。

2020年に『The Lancet Psychiatry』に掲載された臨床試験では、大麻使用障害のある82人を対象に、「CBDによって大麻の使用を減らせるか」が調べられました。

参加者はCBD 200mg、400mg、800mgまたはプラセボを4週間使用し、全員が短時間の心理的サポートも受けています。

200mgは途中解析で効果が十分でないとして除外されましたが、400mgと800mgでは、大麻使用を減らす方向の結果が確認されました。

特に400mgでは、プラセボと比較して尿中のTHC代謝物が低下し、大麻を使用しなかった日数が週0.48日増加しました。

つまりCBDは、「大麻草に含まれるから依存するのでは?」という視点だけではなく、大麻への依存的な使用を減らすための研究対象にもなっているのです。

「また使いたい」という強い欲求にもCBDを研究

依存では、craving(クレービング)と呼ばれる、「また使いたい」という強い欲求も重要です。

2019年、アメリカ・Mount Sinaiの研究グループは、ヘロイン使用障害があり、現在は使用を断っている42人を対象に、CBD 400mgまたは800mgを1日1回、3日間使用する試験を行いました。

ヘロインに関連する映像などを見せたところ、CBD群ではプラセボ群と比べて、薬物に関連する刺激によって生じるcravingと不安が有意に低下しました。

さらに、その変化は最後にCBDを使用してから7日後にも確認され、薬物刺激に伴う心拍数や唾液中コルチゾールの反応も低下しました。

これはCBDがオピオイド依存を治したという研究ではなく、依存で重要な「刺激を受けたときの欲求や不安」にCBDがどう関わるのかを調べた研究です。

タバコへの反応を調べた研究も

ニコチン依存についても、いくつかのヒト研究があります。

2013年には、禁煙を希望する喫煙者24人をCBD吸入器群12人とプラセボ群12人に分け、タバコを吸いたくなったときに1週間使用してもらいました。

その結果、プラセボ群では喫煙本数に変化がみられませんでしたが、CBD群では治療期間中の喫煙本数が約40%減少しました。

さらに2018年には、ニコチン依存のある喫煙者30人にCBD 800mgまたはプラセボを投与し、一晩禁煙したあとにタバコの画像への反応を調べています。

プラセボ使用時にはタバコの画像へ注意が引きつけられやすくなったのに対し、CBD使用時には、その「注意の偏り」が弱まり、タバコの画像を魅力的に感じる評価も低下しました。

一方で、この研究ではcravingや離脱症状そのものにはCBDとプラセボの差はみられませんでした。

同じ「依存」でも、使用量だけでなく、依存対象を目にしたときに、無意識にどのくらい注意を向けてしまうのかという反応まで研究されているのです。

アルコールへの欲求を調べた研究も

2025年には、オーストラリア・シドニー大学などの研究グループが、アルコール使用障害のある22人を対象に、二重盲検・ランダム化・クロスオーバー試験を行いました。

参加者はCBD 800mgまたはプラセボを3日間使用し、お酒に関連する刺激を見たときのcraving、不安、自律神経の反応などを調べました。

CBDを使用した条件では、プラセボと比較して、刺激を見ている間の自己申告による不安が低下し、刺激提示後のアルコールへのcravingも低下しました。また、副交感神経活動を示す指標にも変化がみられました。

認知機能についてはCBDとプラセボの間に有意な差はみられませんでした。

大麻やニコチンだけでなく、CBDと依存の研究がアルコールにまで広がっていることが分かります。

CBDと「依存」の研究を並べてみると

2022年のシステマティックレビューでは、CBDと物質使用障害に関する動物研究とヒト研究がまとめられています。

当時確認されたヒト研究では、ニコチン、大麻、オピオイドについて、使用頻度や使用量、craving(強い欲求)などに変化を示した研究が報告されていました。

その後も、今回紹介した2025年のアルコール研究のように、CBDと依存の関係を調べる新しい臨床研究が続いています。

ここまでの研究を見ると、CBDを4週間使用したあと突然中止しても、明確な離脱症候群が確認されなかった研究がある一方で、CBDそのものが、大麻、オピオイド、ニコチン、アルコールなどへの依存や欲求にどのように関わるのかを調べる研究にも使われていることが分かります。

つまり、CBDと依存の関係は、単に「CBDには依存性があるのか、ないのか」という視点だけではありません。

依存そのものに対して、CBDがどのように関わるのかというところまで研究が広がっています。

「大麻草に含まれる成分だから、CBDも依存する」とひとまとめに考えるのではなく、CBDそのものについて、実際にどのような研究が行われているのかを見ることで、依存との関係もより具体的に見えてきます。

なお、ここで紹介したCBD量は、すべて各臨床研究で設定された量であり、市販のCBD商品の一般的な使用量を示すものではありません。

参考・引用資料

[1]Taylor L, et al.
Abrupt withdrawal of cannabidiol (CBD): A randomized trial
PubMedで確認する

[2]Freeman TP, et al.
Cannabidiol for the treatment of cannabis use disorder: a phase 2a, double-blind, placebo-controlled, randomised, adaptive Bayesian trial
PubMedで確認する

[3]Hurd YL, et al.
Cannabidiol for the Reduction of Cue-Induced Craving and Anxiety in Drug-Abstinent Individuals With Heroin Use Disorder
PubMedで確認する

[4]Morgan CJA, et al.
Cannabidiol reduces cigarette consumption in tobacco smokers: preliminary findings
PubMedで確認する

[5]Hindocha C, et al.
Cannabidiol reverses attentional bias to cigarette cues in a human experimental model of tobacco withdrawal
PubMedで確認する

[6]Hurzeler T, et al.
Cannabidiol alters psychophysiological, craving and anxiety responses in an alcohol cue reactivity task: A cross-over randomized controlled trial
PubMedで確認する

[7]Paulus V, et al.
Cannabidiol in the context of substance use disorder treatment: A systematic review
PubMedで確認する

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です